VIOLINと音楽とうさぎと教室での毎日を綴ります。
ホームページはhttp://mariko.agora-mc.comへ
京都・奈良から発信ちゅう
« 七夕 | メイン | 近所のパン屋さん »
雨の日に、ふと思い出した。
2年以上前の話だけれど、大学の帰りに小学校時代の同級生を見かけた。
懐かしい人や物に思いがけなく再会すると、それ特有の衝撃を覚える。
一瞬のうちにスイッチが入って、色々と思い出したりするのだ。
わーっと、その記憶を取り巻く何もかもが出たがるように。
その同級生の男の子は、実は、いわゆる「いじめられっこ」だった。
ただ、今取り上げられているような大掛かりないじめ、知能犯的ないじめではなく、
物理的に傷つけることは無く、漠然と皆が彼と仲良くしたがらなかった。
彼はあまり勉強が得意では無かった。
皆が出来るペースでは、出来ないという事が多かった。
兄弟が多く、あまり裕福でなかったように覚えている。
友達付き合いも上手くなく、いつも不安そうな、少しオドオドしたような男の子だった。
ちょっとした色んな事が重なって、彼のその位置は確かなものになってしまった。
私もそんな彼が嫌だった。
隣の席になりたくないし、一緒の班にもなりたくなかった。
彼と関わると、損をするような、そんな気になっていた。
彼と仲良く出来なかった人が皆いじめの加害者なら、私も確実にそうだったと思う。
むしろ、加害者と傍観者に分けるなら、加害者だったと思う。
そんなある時期、彼と同じ班になった。
同じ班になれば、掃除の時間、一緒に過ごさねばならない。
班の女子で固まって、嫌だねと言い合った。
「まりちゃん、ちょっとあれ見てや」
同じ班の子に教えてもらった彼のニュースは、
「腹巻をしている」だった。
腹巻してんで、えっほんま?、ほんまやー、なあなあ聞いた?、あれ見て、
そんな言葉を並べながら次から次へとバトンが渡された。
言葉でどうこう言うのではなく、ただ、それも漠然と、彼を遠巻きに見て馬鹿にしていた。
どうしてだったか忘れたが、私はそんな彼に直接言ってしまったのだ。
「なんでそんなんしてるん、なんで腹巻なんかしてるん」
からかうように、きっと冷たく冷たく言ったのだと思う。
私はその行為に何も疑問を感じていなかった。
彼を避けること、
彼を馬鹿にすること、
皆嫌いなんだから、私も嫌い。
他の誰もしてない変なものを身につけてる彼は変。
自分の中の残酷で悲しい部分に、何も感じていなかった。
私の方をじっと見たその男の子は、怒っていた。
「お腹冷やすと、からだに悪いねんぞ!」
彼が必死で声を絞り出して私に訴えた。
「やからな、
お母さんが、買ってくれてんぞ!
腹巻、買ってくれてんぞ!」
その時私は確かに「ごめんなさい」と思った。
彼の母親が、彼を想っている、そんな当たり前のことに気づいた。
とうとう何も口に出来なかったが、今思い出しても、胸が痛くて仕方ない。
彼は皆の敵なのではなかった。
誰かに、愛されている人なんだ。
私は彼を傷つけていたのはもちろん、
私の知らない、彼の母親も傷つけていたに違いない。
だからと言って、彼の事は嫌いなままだった。
でもなんだか、その事があってから落ち着かなくて、
たまにそんな自分に言い訳するように、
気まぐれに優しい言葉をかけたりした。
今思えば許容出来ることでも、その年頃では、受け入れられない事がある。
受け入れられなかった事を許容出来るようになった時に、もう一度彼を見ることが出来て良かったと思う。
大学生になった彼は、私に気づいていなかったけれど、
随分背も伸びて、オドオドしていた小学校時代のあの男の子とは別人のようだった。
すぐにでも声をかけて、
「あの時はごめんね。」と言いたかった。
でもなんだかそれもおかしいので、
また、何も言えなかった。
何も言えなかったけれど、その時彼を見ることが出来て嬉しかった。

話は変わって先日いつも車で通っている川沿いの道から、
中学生が皆で花の苗を植えているのが見えた。
毎年満開の花でお気に入りのこの場所が、こんな風に毎回手入れされているとは知らなかった。
おつかれさん
ありがとー、来年楽しみやなあと、
大きい独り言を言ってみた。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.agora-mc.com/blog/mt-tb.cgi/243
このリストは、次のエントリーを参照しています: painful:
» チューリップについて
from チューリップについて
チューリップについて書いています。 [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年07月18日 05:30
» 5853c4117e52be0a3bf2
from 5853c4117e52be0a3bf2
5853c4117e52 [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年07月20日 23:21