幻想交響曲 -Symphonie Fantastique-

昨夜、学生生活最後のオーケストラコンサートが無事成功しました。
前回の演奏会ではなんともいえない悔しい出来でしたが、
昨夜のコンサートは、これが最後で本当に良かったと思えるものでした。

Weberの魔弾の射手、
Berliozの幻想交響曲、
そしてアンコールはBartókのルーマニア舞曲というプログラムでした。

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「幻想交響曲」は実際に作曲家ベルリオーズ自身の恋の体験を描いたもので、曲中の恋人も実在の人物という自叙伝的作品です。
彼が23歳の時、「ロミオとジュリエット」の舞台を見た際にヒロイン・ジュリエット役を演じていた女優、ハリエット・スミスソンがその相手。
ベルリオーズは舞台の後、彼女にひどく恋焦がれるようになったのです。

それからベルリオーズは幾度もスミスソンに手紙を送りましたが、
ベルリオーズの手紙はあまりに情熱的に過ぎると映ったために、彼女は気味悪がり、振り向いてもらうことは叶いませんでした。
その片想いが、やがて《幻想交響曲》の着想へと膨らんだそうです。

自分の経験と、自身が大きな影響を受けていた文学(幻想交響曲ではThomas De Quinceyの「或る英国人阿片常習者の告白」)から生まれたこの曲の1855年改訂時の「前書き」解説には次のように書かれています。

「病的な感受性と燃えるような想像力を持つ若い音楽家が、恋に絶望し、発作的に阿片を飲む。麻薬は彼を死に至らしめるには弱すぎたが、彼を奇怪な幻想を伴った重苦しい眠りに落とし込んだ。彼の感覚や情緒、記憶は、彼の病んだ心を通じて、音楽的な想念や心象に変えられた。恋人ですら一本の旋律と化し、絶えず彼に付きまとう固定観念(イデー・フィクス)のような存在となる」

実際50分程度ある曲の中には何度も、恋人を表す旋律が形を変えて登場します。

その後実際のベルリオーズは結局スミスソンと結婚、そして離婚を経験するわけですが、
今でこそ偉大な音楽家として讃えられる立場でも、
女優に気味悪がられるほど手紙を送り、断られればその失恋をどえらい交響曲にしたなんて、
ううーん、その後結婚するなんてスミスソンもなかなか冒険家では…。

あ、そうだ、この曲は交響曲で初めて、メヌエットでもスケルツォでもなく「ワルツ」を取り入れたもので、
今回演奏する際はそのワルツのリズムに大変悩まされました。
私を含む1st violin15人でワルツが用いられた2楽章の旋律を弾く場所があったのですが、
ワルツなんて踊ったこともない日本人の女子大生が15人も集まって演奏するわけですから、
なんとも重たーい、
これじゃ足がもつれるわというような出来損ないワルツになってしまうのです。
何度も何度も練習しました。
私個人の感想ですが、本番は、とても良かったのでは無いかと思います。

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(写真:コンサートのあった京都コンサートホール)

4年間、毎週何時間もかけていくつもの舞台を経験したオーケストラ。
私にとってこんなに大きなものになっていたんだと、最後の瞬間に思いました。
音楽科の演奏専攻・管弦打楽器コースに通う私達には必修の授業として与えられた時間。
1年生の頃は夜まで続く練習が嫌で嫌でたまりませんでした。
4回生まで全員揃った練習の中で難しいパッセージを一人で弾かされたり、
「弾けていないなら出て行きなさい」と部屋を出されるメンバーがいたり、
授業のない空き時間までパート練習で埋まったり、
そういったことがなんて大きな負担だろうと感じた事もありました。

そして、どうして必修なんだろう、やりたい人だけやればいいのにと何度も思いました。

なんとも変態な曲・幻想交響曲の最後、熱狂する音が渦になって終わるとき、
1年生の時味わった感動を思い出しました。
初めてのオーケストラコンサート、
初めての演奏旅行、
厳しかった練習が実を結ぶ歓び、
そして今回はそれに加えて、
4年間、学んできて本当に良かったという思いと、
終わってしまうのが惜しいという思いで、たまらない気持ちになっていきました。

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何よりも胸に湧いてたまらなかったのは、
入学当初から一時も変わらず「最高のメンバーだ」と私が大好きだった弦メンバーとの共演が、これで最後だということ。
それぞれの道に進んで、きっと幸せになるだろうけれど、もっと一緒に同じ場所にいたかったな。

コンサートミストレスを務めた由香ちゃんは、打ち上げの挨拶の際に
「私を支えてくれてありがとう」と涙をおさえながら言ってくれました。

みんなが、みんなの支えであるような、そんな素敵なメンバーだったと心の底から思います。

そして、応援に来て下さった、
はっちゃん、サゴマリ、小濱さん、田中さん、
やすおさん、白竜さん、あきひささん、山口ちーちゃん、けんさん、
しまさん、おじちゃん、おばちゃん、とのさん、たむえっち、
お兄ちゃん達、お父さん、お母さん、おばあちゃん、
そして各自お誘いの皆様、本当にありがとうございました。

聴いて下さっているということがまた、どれ程私の力になったかわかりません。

ありがとう。私はとても幸せで、特別な4年間を過ごせました。

投稿者:mizuno 2006年12月17日 20:31

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コメント: 幻想交響曲 -Symphonie Fantastique-

文面から とてもよいオーケストラコンサートだったことがよ~く窺えました。


なんだかこっちまで嬉しくなってしまいます!

きっとこれまでのことが血となり肉となって
これからの人生に大きく影響を与えてくれるでしょうね。

それはまた 自信 という形で人間を大きくさせてくれるでしょう。

今後の水野さんのご活躍もお祈りいたします。

投稿者 okina ! : 2006年12月19日 00:10

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