隣人

先日、自宅から西大寺経由京都、そして滋賀県彦根まで演奏に行った際、素敵な出逢いがありました。

「それは何の楽器です?」
隣の席に座った上品そうなおばあちゃんが私に話しかけて下さったので、
「ヴァイオリンなんです、これから滋賀まで弾きに行くんですよ」
とお返事して、そこから二人の会話が始まりました。
以下少し長いです。

「私ね、今○○に住んでおるんです」
「え!私もですよ」
「そうですか!いやー奇遇やわ、どこらへんですのん」
  <中略>
「ほんまはね、実家が△△にあるんですけどね」
「△△やったら私の祖母がいましたよ、母の実家です」
「えー!いややわ嬉しいわぁ!田舎やからご存知ないかと思ってました」
  <中略>
「私は山に行くの好きでしてね、よう行くんです」
「私も叔父・叔母が登山家ですからよく登りに行きました、いいですね山は」
「まあ!どこ登りました?」
「一番高くて北岳ですね、あそこはたしか3192mでしたっけ」
「北岳は私も行きました、3日かけてね、頂上登ったら下がバーって雲海でね」
「そうそう、向こうには富士山も見えて!」
  <以下略>

40分程二人で喋り続け、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
彼女はお茶の先生だそうで、話し方や言葉の端々に上品さと知性を覗かせる方でした。
結局最後には住所を教えて頂いて、欲しいとおっしゃった私のコンサートのチケットをお送りしました。
その返事が今日届き、そこには驚くほど綺麗な筆文字で

「この間の出会いは本当に感動的でした。
 私も孫のようなお若い貴女とお話が出来て何となく若返ったような気がいたします。
 うれしうございました、
 御迷惑でなかったら良いお友達になってくださいね」
    (一部抜粋)

と書かれてありました。
電車で偶然隣り合わせ、もしその方から話しかけて下さらなかったら始まらなかったであろうお付き合いに、今でもなんだかとてもドキドキワクワクしています。

キリスト教がどうこう言うわけではありませんが、みなさま「隣人愛」は聞いたことがおありだと思います。キリストの「隣の人を愛しなさい」という教えですが、その「隣人」の意味をたとえ話でご紹介しましょう。

「あるところに怪我をおった旅人がいた。
 その人はラクダに乗ってなんとか持ちこたえていたが、遂に飲み物もなくなり、怪我まで悪化したのでその場から動けなくなってしまった。

 彼のいる谷の上を商人が通ったが、彼を横目で見て去ってしまった。
 再び他の旅人が現れたが、急いでいるのか、余裕が無いのか、彼もまた去ってしまった。
 その次に現れた男が、彼を見つけて駆け寄り、自分の飲み物を与え彼を街まで運んだ。

 さあ、現れた3人のうち誰が怪我をおった旅人の隣人となりうるのか」

人と関わるきっかけというのは中々自分で作り難いものですが、
今回こうやって素敵な人生の先輩と出会えたことを思うと「出会い」の無限の可能性に胸が躍ります。
春には一緒にハイキングに行くとお約束しました。
その前に、今冬のコンサートに来てくださいますし、嬉しいですね、これからいろいろと学ばせて頂こうと思います。

とても個人的なお話でしたが、私の中では今月最大のニュースなので、大目に見て下さいね。
文通って、いいかも。

投稿者:mizuno 2005年11月17日 00:46

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.agora-mc.com/blog/mt-tb.cgi/23

コメント: 隣人

うむ、しかし準備は必要ですね。
出会いに対して常に心の準備はできていたいもんですな。
水野は○○に住んでいた、△△に住んでいた、山登りをする、etcというファクターで準備ができていたわけですな。
オープン ヨア マインドゥ!(メンソウル(男魂)より)

投稿者 140 : 2005年11月17日 18:44

いい話ですよね~。

自分もね・・・遠い昔のことだけど 
滋賀県だったかなー 夏休みのひとり旅で
ある街をたずねたのね。

ちょっと長めの旅だったので、荷物も多めでね~。
大きいバックをもっていろいろ見て廻ってたんですよ。
ある街でおばあさんに道を尋ねると
そんなに大きいバックを持っていたら歩きにくいでしょう?!
と荷物をあずかってくださったんですよ。

で、お昼ころには戻りますのでといいながら
あちこち観光してたら2時くらいになってしまってね~。
あわてて戻ったら、そのおばあさん 泣きながら出迎えてくださって・・・

無事でよかったーって。最初にあなたに会ったとき、孫が帰ってきたように思ったんだって!

お昼は食べたのか?とおばあさん。
いいえ~まだですけど・・・
と答えると、まあ食べていけと引き止められてね・・・涙ながらに。

その時に出された、冷たくなっていたご飯、
お味噌汁、トマトの入ったサラダ・・・

今でもはっきり覚えているけど、涙が出てきて
仕方がなかったんですよね。

あれほど心のこもったご飯はなかったなーと
今でも思いますよ。
あの時、人間っていいな!人と人とのふれあいってなんて素敵なんだろうって心底思いましたよ。
自分もこんな風にされたように、人に接して
いこう・・・ってね。
人と人の間に何を持ってくるのか・・・
人間ってその間にくるものが問題なんですよね。

旅ではいろんな出会いがあります。
不思議な出会いにいろいろ教わることもあります。人生が新たに開けることも。

水野さんの書き込みを見てあれこれ
思い出しました。

ありがとう。

投稿者 チュー太 : 2005年11月23日 00:19

140>
いい出会いばかりとは限らないので、140くんは特に気をつけてください!!
だまされそうなので…ぶふふ

チュー太さん>
コメントありがとうございます。
素敵なお話ですね…心があたたまります。
それにしても初めて会った人に荷物を預けられる・預かるって、田舎ならではですよね。
田舎でも、そうそうないかも。
よっぽど自然に信じられたんでしょうね。

これだからおもしろい!
ひきこもってなんていられませんね

投稿者 水野 : 2005年11月23日 12:22

コメントしてください




保存しますか?